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左向きの錦鯉の絵 この世に偶然ということはない
 


先日、コレクターさんから、錦鯉の絵を見せていただきました。

その方とは、絵画の話になると、永遠と会話が続けられるのではと思うほど、限りなく話が進みます。たった一枚の絵画から。そこまで、というほど。

購入にあたっての思い、そこが一番聞きたいところで、所有者としても、そこをわかってもらいたいところですから、その方の絵画との出会いから購入までのストーリーをじっくりとうかがいながら楽しみます。本当に有意義な時間です。

そのあとは、その絵から、なぞなぞが始まり、いつも私は試されています。

左向きの錦鯉。そして、それをなぜ、この時に部屋に飾り、私にも見せてくれるのか。意味がないわけがありません。誰も気がつかないだろうけれど、そこに気をとめた人だけが招き入れられる名画への世界。質問ができなければ、そこで門は閉ざされます。美を見つける、絵画の価値を見出すことができる。それでこその趣味人のスペシャルな時間なわけです。

今回は、この絵にノックアウトをされ、「この世に偶然はありえない」という言葉を、その方と二人して何度も口にしました。おかしなくらいにシンクロニシティーが生まれる間柄でもあり、毎月見せてくださる絵画の選び方、メッセージ、そこから楽しみにしているお互いのうんちく合戦。美術品を愛し、芸術というものとの関わり方が自分と似ている人に出会えることは大変な幸せです。時には厳しい話もします。お互いに投機的な絵画の購入は好みではなく、あくまでも、自分との関わりで選ぶタイプ。自分と絵画の間に物語があればこそ、所有していて嬉しく、その作品から何かしらの幸せをいただいていると思うわけです。

まっすぐに泳ぐ、左向きの錦鯉。

学ぶことが深く、ちょうど私も仕事上の節目を迎えていますので、拝見させていただいてありがたかったです。意味合いは個人的なことですのでネットで公にすることは控えなければなりませんが、まっすぐで(たいがい鯉の絵は動きを出すために曲線で描かれています)、どこか不自然に思えるほどで、左向き。

経営者としての心得のようなものを語っていらっしゃいましたが、一人の人間としての生き方にも通じるもので、この絵を忘れたくないなと思いました。

徳川家康公が、生涯、あの三方ヶ原の合戦でのことを忘れまいと、だっ糞した自画像を掲げていたそうですが、自分を見つめ直し、戒めてくれるものがあることは、幸いであると思います。私の所有物ではないですが、脳裏にしっかりと焼き付けて、生涯、あの作品と出会った時に交わしたこと、思い続けたいと思っています。

 
|author : 村松 操 | リラックス | 12:13 |